コンクリートの爆裂ってなに??
2022/03/10
鉄筋コンクリート造が多い沖縄。街中を歩いていると、コンクリートが剥がれ落ちて鉄筋が見えている建物を見かけたことはないですか?これはコンクリートの劣化症状のひとつで『鉄筋爆裂(以降 爆裂)』といいます。
出典:株式会社塗装職人
爆裂とは??
爆裂とは、コンクリートのひび割れなどから空気や雨水が侵入し、コンクリート躯体内部の鉄筋がサビて膨張、その膨張によって内部からコンクリートを押し出す現象のことです。
爆裂がおこる原因はどのようなものがあるのでしょうか??
爆裂がおこる原因
コンクリートの爆裂とは、おもにコンクリートが劣化することで起こる現象です。コンクリートの表面は乾燥収縮などで小さなひび割れをおこします。このひび割れは珍しいことではありませんが長年放置すると、ひび割れの幅が大きくなり、そこから空気中の炭酸ガスや雨水が徐々にコンクリート内部へ侵入していきます。そのため、通常は鉄筋がサビることはないアルカリ性で保たれているコンクリート内部が、空気中の炭酸ガスと化学反応を起こし中性化していきます。この中性化をうけて鉄筋にサビが発生していくのです。
時系列でまとめると
①ひび割れ発生・・・コンクリートの乾燥収縮による
↓
②ひび割れから空気・雨水が侵入
↓
③コンクリートが中性化・・・中性化で鉄筋がサビやすい状態になる
↓
④鉄筋にサビが発生
↓
⑤膨張した鉄筋のサビがコンクリートを押し出す・・・爆裂発生
出典:きょうのエスキス
建物への影響
爆裂がおきて鉄筋が剥き出しになった状態は、鉄筋の劣化が激しく進んでいるということになります。これは建物の耐久性に大きく影響を及ぼし、危険な状態です。
鉄筋の劣化が進んでしまうと建物を十分に支えることができず、最悪の場合倒壊につながる恐れがあります。その他にも、爆裂箇所から内部への水の侵入を許してしまうため、カビの発生など建物内部の衛生環境を悪化させることも考えられます。
その他注意
冒頭の写真のように見るからに爆裂していると判断ができればいいのですが、見た目だけでは判断ができないコンクリートの劣化もあります。
・表面が膨れている
・鉄筋が腐食している
・ひび割れからサビた水が流れている
このような状態も、内部で爆裂が発生している、もしくは爆裂が発生する手前と考えられます。
補修工事の流れ
一般的なコンクリートの爆裂補修の流れは
①現地調査・・・補修箇所の確認
②ハツリ・・・コンクリートの脆くなっている部分を削る
出典: 株式会社 山陽工業
③鉄筋のサビおとし・・・再発を防ぐために、全て削り落とす
出典: 株式会社 山陽工業
④モルタルで成形・・・サビ止めの成分が含まれるプライマーを塗布した後、樹脂モルタルやポリマーセメントモルタルで埋め戻すし、成形
出典: 株式会社 山陽工業
⑤乾燥養生⇨塗装
その他補修工法
・ガルバシールド工法
・ミクロカプセル工法
・トウシート工法
などなど爆裂の補修にはさまざまな工法があり、爆裂の状況や建物の劣化具合などによって最適な工法があります。
お家のことで気になる部分がある場合は、ひどくなる前にぜひ井上工務店までご相談ください。