ウッドショック再来⁈
2022/04/08
ロシアのウクライナ侵攻によるウッドショックの再来⁈
2020年からのコロナ禍でウッドショックが起きました。ハウスメーカーや工務店で木材の品薄状態が続き、建築が進まないという状況が多々起こりました。木材不足になり木材の値段が高騰し建築単価も値上がりをしていきました。 そんな中、ロシアによるウクライナ侵攻が起きてしまいました。この侵攻を受け、日本ではさまざまな分野で価格高騰などの影響をを受けていますが、木材業界・住宅業界も例外ではありません。
日本の木材輸入相手国
2021年の日本の木材(製材品:製材品とは丸太を切り出して角材や板状に整えた木材のこと)総輸入料は4,969,873㎥。
最大の相手国はカナダで、輸入量全体の24.9%を占めています。次いでロシアが17.1%、スウェーデンが15.3%となっています。
(データ引用:森林・林業学習館)
日本の木材供給への影響とは?
日本とロシアは長い貿易関係にあり、ロシアから木材や合板用の単板を大量に輸入しています。その輸入のおおよそ70%を製材品が占めています。ロシアの製材品は主に天井や壁の下地材として使われています。
出典:林野庁 木材貿易の現状
日本では輸入した単板を貼り合わせて、壁や床の下地となる「構造用合板」を作っています。このように日本の家づくりにおいてロシアの製材品は無くてはならない存在となっています。
ロシアからの報復措置
ロシアは世界最大の製材品の輸出国であるとともに、世界第2位の丸太輸出国でもあります。 今回のウクライナ侵攻でロシアは国際社会からさまざまな制裁を受けています。それに対抗し、ロシアも報復措置を打ち出しました。2022年末まで日本やEU諸国などの非友好国に対し、丸太・単板・チップの輸出停止を決定したのです。
ロシアからこれらの木材が入ってこないとなると、世界各地で木材が不足することが懸念されます。特にEUはロシアから木材を大量に輸入しており、日本はそのEUからも木材を多く輸入しています。EUの輸出余力がなくなり、日本への輸出が減少する可能性も否めません。世界的な木材不足と価格高騰、つまりウッドショックの再来は起こり得ることなのです。
これから
沖縄の建物はR C(鉄筋コンクリート)造が多く、またリフォーム・リノベーションは躯体工事がほとんどないので木材の使用量は少ないように思えます。しかし木材の高騰で代替品になりそうな建材が値上がりしたり、木材以外にも燃料コストの高騰で沖縄までの輸送費の値上がりなど、建築コストへのあらゆる影響が考えられます。値上がりした価格は数年値下げすることはないでしょう。
現在リフォーム・リノベーションを検討している方は早めのご相談をオススメいたします。ぜひ井上工務店までお問い合わせください。
世界中の人々が安心して暮らせるように祈っています。