フルリノベーションと建替えと費用の比較
2021/04/27
リノベーションの定義
「リノベーション」とは、既存の建物に大規模な工事を行うことで、住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすることをいいます。
英語での「renovation」は「革新、刷新、修復」を意味していて、リフォームがマイナスの状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復という意味合いに対して、リノベーションはプラスαで新たな機能や価値を向上させることを表しています。そのため、リノベーションでは住まいの空間をよりデザイン性の高いものに改良したり、住環境を現代的なスタイルに合わせて間取りや内外装などを変更したりすることなどが含まれます。例えば、耐久性や耐震性を高めるために壁の補修を行ったり、家族が増えたことから、仕切りの壁をなくして、広々としたリビングダイニングキッチンにしたりすることなどが「リノベーション」に該当します。このように、リノベーションではライフスタイルや生活環境に合わせて自由自在にアレンジできるという魅力から、近年では非常に人気が高まっています。
建て替えの定義
既存の住宅を、基礎部分から取り壊して、新たにゼロから住宅を建築することを指します。実はすべての住宅が建て替え可能ではなく、「建築基準法で定められた幅員(幅)4m以上の道路に2m以上接した土地でなければ、原則として建て替えができない」など、さまざまな制約がありますので、ご自身の住宅が「再建築不可物件」か否かのチェックを最初に行うようにしましょう。
リノベーションと建て替えを特徴で比較
【工事の前提】
リノベーション場合:スケルトンに解体、または既存の住宅の活かせる部分を活かしながら、改修していく
建替えの場合:既存の住宅をすべて解体してゼロから自由に設計していく
【費用相場】
リノベーション場合:約300~2,000万円(内容によって異なる)
建替の場合:RC住宅の場合坪90万円
【改修費用以外の諸経費】
リノベーション場合:特に無し
建替の場合:解体費、破棄費、建て替え期間の仮住まい費用+引越し費用
【検討目安の築年数】
リノベーション場合:水廻りや屋根・外壁は築10〜20年、大規模リフォームは築20~30年が目安
建替の場合:築30年以上が目安
【間取り】
リノベーション場合:建物の構造により制限有り
建替の場合:自由に設計が可能
【工期】
リノベーション場合:約2ヶ月から3ヶ月
建替の場合:約5ヶ月から6ヶ月
リノベーションと建て替えをメリットデメリットで比較
【メリット】
リノベーション場合:●中古住宅を購入してリノベーションする場合工事費も合せて住宅ローンが組める●コスト面がお得●工期が短い●必要な部分のみの改修(数年おきの改修)が可能●各種税金(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税など)の軽減が可能
建替の場合:●間取りや設備などの不満をほぼ解決できる●リノベーションよりも比較的簡単に、多額のローンを組める(長期ローン)
【デメリット】
リノベーション場合:●理想を実現する場合、それなりの費用が必要となる場合も●劣化が激しい場合、補修費用がそれなりにかかる●建て替えに比べ自由度が少ない
建替の場合:●コストが割高になりやすい●工期が長い●各種税金(不動産取得税、固定資産税、都市計画税、登録免許税など)がかかる●法律によって、建て替え不可能な場合がある
まとめ
双方の特徴を比較しながら、どちらが、ご自身にとって“お得な選択”なのかを考えてみましょう。